今日は久しぶりに太陽を見ました。
私が住む北フランスの街は、緯度が北海道より高いので、今なら8時半ごろが日が出て、夕方5時前に日が沈みます。私は7時には会社に着いており、会社を出るのが夜の9時過ぎ。その間、ずっと工場の中にいます。つまり、平日は太陽を拝めないまま過ごしていることになります。クレイジーですねぇ。
今日も仕事の合間を縫っての稽古。お蔭で太陽を拝むことができて、感慨しているわけです。
上の写真は道場のある建物です。よい天気だったので、写真を撮ってみました。
畳の部屋のほかに、ミーティングルームやコンクリ床の部屋があります。地域のレクリエーションセンターのようなものですかね。ほとんど人を見たことはありませんけれど。
今日は、稽古にあまり時間が取れませんので、横雲と鱗形を稽古しました。
特に鱗形。ムズカシイ技なのです。詰合の一つで、剣術でいう組太刀になっています。二人で稽古する形ですね。柔術技法の大小詰は一人で稽古していると悲しくなってくるのですが、詰合はまだ一人で稽古できる形です。それでも相手がいてくれないと感覚が分からない。
ということで、横で黙々と練習しているキックボクサーを捕まえて、木刀を握らせ、振り方を教え、座らせ、私の正面に向かって木刀を切りこませました。正面を切ってくる相手の刀を受け止めて、相手の木刀をすべらせつつ、自分の木刀の切っ先を相手の正面に切り込ませる。
何度か繰り返し、四苦八苦。
その様子を見ている相棒は、何をムズカシそうにしているのかという目で見ています。
立場交代。
私が切り込んで、相手に受けさせる。もちろん出来ません。まがりなりにも私が自然にやっていたので、なぜ自分が出来ないのか分からず、不思議そうにしています。
座った状態から、受け止めた相手の木刀を押し返すのではなく、吸収するように捌いて、かつ相手の正面に切っ先を突きつける。押し返してしまうと、相手は次の攻撃に簡単に移ることができます。つまり、押し返してはいけないのです。
「押し返さない」ためには、体が緩まねばなりません。
これがムズカシイのですねぇ。分かる?とキックボクサーに尋ねると、よく分かったと納得した様子。納得できても体を使って技を遣えなければ武術になりません。
キックボクサーは股関節を緩めることができず、体を前進させるためにはどうしても一旦体を上へ押し上げねばならず、結果として相手の木刀を押し返す動きになってしまうのです。でも、これが普通なのです。武術は普通でない体の使い方を求めているのです。私の動きなど、まったく自然ではないのですが、普通でない体の使い方を自然に出来るようにするために稽古をしているわけで。
キックボクサーも不思議がって、何度も繰り返し挑戦しました。何度か交代して挑戦。
とても面白がってくれたようです。
これからも稽古するか?と尋ねると考えさせてほしいという返事。
何を考えるの?と確認すると、デンジャラスだからと言われてしまいました。
驚きです。そんな風に見てたんだ。
私にとってはキックボクシングのほうがよっぽど危険に思うのですけれど。